東北福祉大学の近田真美子さんの論文を要約すると、以下のようになります。 うつ病回復者の生き方の転換 一「状況構成」という視点から 一 POINT l うつ病を抱えつつ生き、回復へと向かっている人はそれまでの生き方を変える(状況構成) Ø 1. 職業領域から白…
最近、聞いてショッキングだったお話があります。医学に精通されている知り合いの先生からお聞きしたのですが、医学の分野に「正常」はない―つまり、治療とは、間違いなく「健康である」状態へ導く行為ではない―ということです。これには驚かされました。 先…
模倣は人間の発達において言語習得や動作の獲得など重要な役割を果たします。つまり、人は生きるために模倣を行う訳ですが、研究史における模倣についての議論は一般的に世論に浸透していないのではないでしょうか。今回は模倣を表層模倣と深層模倣とに区別…
『おしゃべりK子』[1]を読んだ。これは小嵐恵子氏[2]の障がい児教育の実践報告だが、氏が失敗したとお考えだったことも含めて、氏とK子の成長が熱を込めて語られている。要約する。 K子の障がいについてはあまり述べられていないが、肢体不自由重複学級の…
ある兄弟がいました。食卓にはお母さんが用意してくれた大小1個ずつのリンゴが置いてありました。すかさず兄が大きい方のリンゴを食べました。すると弟は言いました。 弟「ずるいや、兄ちゃん。大きい方を食べて。」 兄「どうしてだ?じゃあお前ならどっちの…
勉強とは、外部から規定された「身につけるべきこと」を学習者がそっくりそのまま写し取る行為のことをいいます。例えば、学校教育はカリキュラムに沿って、最終的に生徒に身につけさせたい技能・態度などを逆算して授業計画が立てられる目標準拠型教育をと…
シリーズの最後に、なぜピアジェ理論は破綻したのか?を考えたいと思います。そこにはピアジェの人間観―ピアジェは人間をどういう存在として捉えていたか?―が大きく関係すると考えられます。 では、ピアジェのキャリアから探っていきましょう。シリーズ1で…
今回は、ピアジェ理論がいかにして否定されたのかについて言及します。しかし、インターネットからはなかなか根拠となるサイトを検索できなかったため、図表を含めた詳細な記述は控え、ここでは実験概要を示し、次回はピアジェ理論との相対比較によって導き…
前回はピアジェ理論の概観について触れました。今回はピアジェ実験の内容をまとめたいと思います。 繰り返しますが、ピアジェの理論は現代では否定されています。他人の立場に立って物事を考えられない幼児の気質をピアジェは「自己中心性」と呼び、幼児期で…
理論は人々の生活や考え方に大きな影響を与えます。一般人の「物事の考え方」は知らずのうちに理論にコントロールされているかもしれません。今回はかの有名な「ピアジェの発達理論」を取り上げ、その概要と理論の前提となっている人間観、そして「我々は理…
皆さんが必ず通る「教育」という道はどのようなものでしたか?あなたは友だち先生やかかわっていく中で、どのように成長していきましたか?今回は私の専攻の授業内容から、日本の教育とはどのように始まり、実施され、どのような問題点が現在にあるのかなど…
先ほど、日本テレビの『スッキリ』で12歳の天才ウクレレ少年の特集が放送されていました。近藤利樹くんはどのようにプロ選手になっていったのか、その秘訣は何だったのか、などが話題の中心でした。 利樹くんは、小学生の間、1日に2~3時間の練習を欠かせ…
昨日放送のNHK「AIがテレビを変える」をみました。私はAIが昨今のテレビ離れをどのように引き起こしたのかを探る番組とばかり思っていたのですが、全く違いました。番組の趣旨は、AIがいかにテレビ業界を助けるのかということでした。 番組の趣旨からは離れ…
心理学用語にフラッディングという言葉があります。動物などにトラウマを抱える人が、その恐怖を克服するためのトレーニングのことを指しますが、これは恐怖の対象を比較的長い時間見続けることにより、被験者は一定の効果を得ます。この際に気を付けなけれ…
私がベッド(べっど)に入ってから意識(いしき)することは、主(おも)に以下の三点です。①(1)身体(しんたい)感覚(かんかく)を感じる(かんじる)こと、②ボーッとすること、③ネガティブになること。 第一に、「身体感覚を感じること」です。不安とは「確かさがな…
改めて言うまでもありませんが、睡眠は大切です。私が調べた文部科学省の約10年間にわたる追跡研究によると、7時間睡眠群(6.5h-7.5h)がその期間における死亡率が最も低かったようです。当然、地域差や個人差などもありますが、一般的に睡眠時間の確保が大切…
恐らく、「自分なりの問いを持つ」ということは日本人にはなかなか難しいことなのではないかと思います。理由を私なりに考えてみたのですが、どうも学校教育に問題があるのではないでしょうか。 日本の学校教育は、テストで良い点数をとることを目指す営みで…
昨日、メンタリストDaiGoさん著〖科学的に正しい英語勉強法〗を読みました。書店で立ち読みしたのですが、やはり今最も興味のあることや、危機感を感じていることがトピックだとスラスラ読めてしまいますね。1時間ほどで読んでしまいました。 なぜ本書を手…
先日、久しぶりに高校時代の友人と飲みに行きました。学生は私を含めて二人で、大半はもう社会人として立派に働いています。 近況を話し合ったり昔話に花が咲いたりしましたが、その会話のところどころで特に仲の良かったKが大爆笑していました。彼はクラス…
以前、NHKのニュースで今年オリックスから日本ハムに移籍した金子弌大選手の取材が放送されました。私にとってかなり印象的なお話でした。 私の金子選手に対するイメージは、コントロールがとても良く投げミスが極端に少ないといったものでした。 しかし、実…
私がこの本を読んだのは、日本の教育制度に対する言葉にならない怒りがあったからだと思います。現行の教育制度とは、学ばなければならない教材を、効率よく脳にコピペする「作業」のような営みであろうと考えていました。 著者は私と同じような考えをお持ち…
この本を読む前は、メモをとるとは「退屈な作業」と思っていました。僕のイメージでは学校で板書されたことを、そっくりそのまま書き写すことが「メモをとる」ということだったんです。 しかし、読んでいるうちに「これは!」と疼きました。本書では「メモを…